右第5指を「突き指した」っと訴え来院されました。
右第5指を調べると左に比べて腫れており、痛みも著明でした。しかし、骨折の症状はありません。
詳しく事情を聞くと、部活の練習で、相手選手が患者さんを抜こうとした際に、患者さん本人が相手選手の服を持ち、右第5指だけが服に引っかかりねじれ、反対方向に曲がったとの事。
ん~厳密に言うと「突き指」じゃないね(^^;)
「反対方向に曲がる」=『捻挫(靱帯損傷)』『脱臼』『骨折』の疑いになります。
骨折の所見は見あたりませんので、『脱臼』?
いえいえ!骨は軸はまっすぐなので、『脱臼』の可能性は低くなります。よって『捻挫(靱帯損傷
』の疑いになります。
第5指を横から圧迫するとグニャっと曲がりました。これは「靱帯」検査の1つになります。
通常、靱帯は「制動」の役割をします。言い換えれば、あらぬ方向に行かないように止めている働きがあります。
指は横から押しても曲がりませんが、この患者さんの場合は、横から圧迫して曲がるので、これは「外側の靱帯損傷」を意味しています。
ちなみに逆から押しても、曲がりませんので、「内側の靱帯は損傷していない」っと言うことになります。
治療法としては、再度同じ状況になると脱臼をする可能性が高いので、1週間は安静及びテーピング固定っとなります。
… しかし、練習を休めないっと言うことなので、バディーテープ(別の患者さんの写真ですが)を施し様子を見ることにしました。
その後練習でも再度負傷することなく、2週間で治癒しました。
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